渓流ベイトフィネスの落とし穴その1

  


子供の頃から落とし穴好きな私は、道端の至る所に落とし穴をしかけては友達を落として悪ふざけをしていた
今でいえば、犯罪モノの大変な悪ガキである
その他のいたずらでも、相手の両親からの通報で
校長室に、悪友とともに何度も親同伴で訪れたこともしばしばであった
流石に50も過ぎれば落ち着いたかと思いきや
むしろ子供返りというか、やんちゃ度がエスカレートしている今日この頃である

さてと、前置きが長すぎて、落とし穴じゃなかった()
個人的に究極に美辞麗句と思える渓流ベイトフィネスの話である。
本来きちんとツボを抑えれば、難しいと言われるベイトフィネスも快適に使える所か
スピニングには到底かなわない多くのメリットがある
ベイトは味があるからとか、カッコイイとか上手そうな人に見えるとかだけだと本当に使いこなせているとは言いがたく、
長続きもしないので翌年はタックルさえも手放してしまうという不幸なケースが多々ある
そういう見栄えだけでない真のメリットを見出すことでさらなるディープな世界へとハマるのである

しかしながら、IOSも含めた、私利私欲にまみれた業界人の悪質な落とし穴が
多数しかけてあるから注意されたい()
特に、これから始めようとしているユーザー
そして今ハマっているけどなんとなく違うなと感じているユーザー
はたまた、飽きてしまってスピニングがやっぱりいいや!と思っているユーザー
彼らにとってベイトフィネスが健全な方向へ理解され、有益な情報となれば幸いである

因みに今回のコメントは私の個人的主観なので
俺は違うよなあーと思っている方はオヤジのボヤキだと思ってください()
また、けしてベイトタックルを否定しているものでもありません

一般的に渓流ベイトフィネスのイメージはヘビーシンキングミノーを中心として
軽量スプール&5フィート前後のショートロッドを使っての源流に近い小規模河川でのアップストリーム主体
そして、リトリーブ主体の釣りではないだろうか?
一見これはある種の確立されて(しまった)イメージとなっている
ベイトリールだから、重めのルアーはキャストしやすく
オーバーヘッドキャスト流れのピンポイントをアップストリームで射抜く快感は捨てがたいとなると、ショートロットが理想
流れが早いから、巻きのスピードも忙しくなるのでリトリーブ主体となるのもわかる
ただし、この理想とも言える環境が日本の川にどれほどあるかが問題なだけである
よってこれから始めようとするユーザーは、そのイメージに酔い
メディアの美辞麗句な情報を頼りにベイトフィネスタックルを揃えてしまい
実際の現場で、様々な問題に直面してしまうのである

つづく・・・

  






「渓流ベイトフィネスの落とし穴その2

問題1  そもそもリールが飛ばない

これは回転が悪いこともあるが、リールには理論的にキャスト可能なウェイトがある
極端に軽いルアーになると、管理釣り場のようなオープンウォーターで
とりあえずキャスト出来ますよー的なことでは渓流は通用しない
ピンスポットキャストが当たり前のポイントに入れてリトリーブする必要がある川だと、無理が生じる
アンバサダーや五十鈴リールに軽量スプールを装着すると
スプールの回転の慣性力が弱まりバックラッシュしずらくなることはある
その反面、キャスト後半に急速に失速するフィーリングがある
この特性に違和感がある私は、アンバサダーや五十鈴リールには純正スプール派
その理由は、キャスト時にレベルワインド連動型の為
重くて回転の悪いレベルワインドを駆動させる必要から
やや重めのフライホイール効果をスプールにもたせてあり
その結果かえって、3g台でもキャストフィールがよく
キャスト終盤のルアーの伸びが良くなり、ルアーの弾道がイメージしやすい
これは軽量スプールが悪いというわけでなく
リールの構造的な問題なのである
因みに五十鈴リールやアンバサダーに軽量スプールを組み込んで
レベルワインド機構をキャンセルしてキャストすると
まるで現行のバス用ベトフィネスリールをキャストしているような
大変伸びやかで、どこまでも軽いルアーがキャスト出来てしまう
但しリトリーブをしなければの話である()
この深いレベルワインドのメリットの話は後日にて・・

いずれにしろ、2021年時点で1g前後のルアーを、とりあえずキャスト出来ますよ的でなく
実釣で使えるリールのベストはダイワのスティーズAirであるが、渓流で映えるかどうかは別問題である
そうなると強いて丸型リールをあげるならコンクエストBFS位であるが
後述する巻き取り長ではスティーズAirには劣る

つづく・・



問題2  リトリーブスピードが遅すぎる

一般的にスピニングと比較してベイリールはリトリーブスピードが遅いから
流れの早いポイントをアップで攻める時
巻くのに精一杯でルアーのアクションもままならなず
特定の釣り場でしかその味を発揮できない危うさがある
一般的な渓流ベイトで比較すると、巻き上長は(cm/ハンドル1回転)
アンバサダー250056cm(ハイギア仕様)、五十鈴リール 420/42142cm
比較的入手がし易い、カルカッタコンクエストBFS68cm
性能重視で言えばスティーズAir 80cm!  これはステラC2000HG82cmに迫る
軽量スピニングの代表格カーディナル365cm
(スプールの最深部からはおよそ60cm)
と色々考えてみてもスピニングが
いかに巻き取長が長くアップストリームでは使いやすいことがわかる


  



「渓流ベイトフィネスの落とし穴その3

問題 5  そもそもアップか?

これほどまでに巻き取りが遅いベイトリールをアップで使う必要があるのかという問題がある
ベイトタックルは実際問題として行く川を選ぶのである
反面ベイトをクロスやダウンで使うと、ベイトリールのデメリットが軽減して
フリーでルアーを流し込んだり、ダウンでスイムさせながら流し込みながら
アタリがあればスプールを押さえてのフッキングなどの芸当も
流し込む時にはフェザリング主体のスピニングより、フッキング等ははるかにやりやすい


問題 6   ショートロッドでいいのか?

アップストリームでは便利で楽しいショートロッドも物理的にスピニングと違いベイトリールは
スプールを回転させてキャストする構造の為
どうしてもスピニングのような鋭いキャストが苦手であり
キャストにはスプール回転のタイムラグが生じる。
さらにショートロッドはその特性上どうしてもコンパクトな振りになり初速が付きすぎてキャストしずらい。
よくあるのは、バットが固くてベリーから先が極端に柔らかいショートロッドである
実際に快適にキャスト出来きてしまうが、それとてあくまでアップでのタダ引き&ジャーキングのリトリーブ主体の釣りにならざるを得ない
これでは渓流のわずかなスポットや水深が深い場所でヘビーシンキングミノーを
精度よくリフト&フォール操作する技法は難しく
出来たとしても、ルアーアクションが大げさなにならざるを得ない
実際問題として思うのは、日本のハイプレッシャーが普通の河川でタダ引きで容易に釣れる川は限られ、釣りこぼしも多い

さらには、テップが柔らかいロットはフッキングがどうしても甘くなるし
イワナの硬い顎を貫くパワーが不足することが多く
バットのフレックスだけでキャストすることになるので、初速がつきやすく
スプール回転ムラが出やすくバックラッシュしやすくなり
5フィートのロッドであっても実質3フィート程度のロッドがキャストする感覚となり
キャストフィールが極端に悪くなる
昨今はスピニングもベイトロッドもショートロッドが流行しているが
様々な基本性能においてハンデがある(それも楽しみの一つであるが)
反論を承知でいわせてもらえば、これからベイトフィネスを始めようとする方には
6フィート以上の、荷重に応じてスムースな弧を描く可変テーパー系のトルキーなロッドをお勧めしたい
長いと思って、柔らかく短くしたところで、ルアーアクションがやりづらくなる

また川の形態によっては、ラインスラッグの処理に大変気を使う
無駄なラインを出しすぎてフッキングやアクションまで至らないことが多々ある
ハイギアリールならラインスラッグの処理もノーマルギアだと巻き取りが忙しいのである
また前述のクロスやダウンストリームの釣りでは
ロッドの短い分流すコースが確保出来ずに川の流心部まで立ち込が必要になる場合があり
水深があり流れが早い川では無理がある
私がこれから渓流ベイトフィネスを始めようと思っているビギナーには
ダウンストリームで6フィート以上をすすめる理由でもある


問題 7   ショートハンドルで良いのか?

渓流ベイトフィネスリールで使われるハンドル類は
リール本体とのルックスを考慮してショートハンドルが多い
これは古来ベイトリールはダイレクトリールしかなかった当時
キャスト時にハンドルも回転する都合、ハンドルはできるだけ短く
尚且つ、シンメトリーがとれるダブルンンドルが都合が良かった為である
しかし、ローギアの特性上、巻きはどうしても早巻きとなるので
最低75mm以上の長さが現実的だとは思っている


極論 まとめ

スピニングならそこそこの汎用性があるのでそこまでシビアに考えなくても良いとは思うが、
ベイトリールとなると慎重な検討をされることをお勧めしたい
私の場合、リールはアンバサダーを主体に
6g以上なら五十鈴リールも使用はする
以前書いたが、レベルワインドのオシレート・メカニカルロスが少ないアンバサダーのほうが
同じ3g比較ならキャストしやすい
ルアーは4g前後のヘビーシンキングミノーかハスルアー が主体
ハンドルはアクション主体なら左巻き、
ダウンストリーム等で巻き主体ならリトリーブ中にアタリをとる都合、圧倒的に右巻きが使い易い
そしてキャストは開けた川以外はほとんどピッチングが主体
流れの緩い川ではアップストリーム
流速が早ければクロスかダウンを主体に6フィート以上のロッドを使用している
使用するリールはフルチューンしたアンバサダーや五十鈴リールを使用
特にアンバサダーはフルチューンのビフォー&アフターが極端に変貌するので面白い
但し、行く川でスピニングの選択肢も柔軟に考えていく
もっとも、こだわりはしかるべき、あくまで一個人の意見として参考にされたし


   






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TD系はなぜ巻き感度に優れるか? その1

IOSでもっとも重要視していることは
人間の感性に任せた、経験則をベースとしてのモノづくりを優先していくという基本理念である

知識が乏しい人間が机上の理詰めでモノを作るのはやはり限界がある
例えば飛行機がなぜ空を飛ぶのかは未だ解明されていないと聞くが
実際問題として飛ぶから運行されているのであるし
私は小学生の頃はよく飛ぶ紙飛行機を作るのが誰よりも得意であった

「子供は紙飛行機を飛ばす時にどういった原理で飛んでいるかなど考えていない
ただし、どうやったらうまく飛ぶ飛行機をつくれるかは知っている」   
                                      IOS  岡村


次回はそんな理屈抜きに感じた個人的な理論を元にTDの巻き感度についてお話したい

 
ミドスト中にヒットした小バス()抵抗の少ないジグヘッドリグに対して如何に抵抗を出していくか?
エリアのみならずバス釣りにおいても軽巻きIOSフルチューンのTD系は重宝する







TD系はなぜ巻き感度に優れるか?」その2


 


さて、表題のTD系はなんで巻き感度があるのか?巷でよくささやかれている話である
巻き感度という、魅力的かつ高付加価値について
私は長年にわたり検証し、特に感度がものをいう極寒期において
リアルフォーとの比較を徹底的にやりこんで
時には10ステラのボディを5台以上壊して
TD系のギアも15セットはダメにしてきた
単にギア配置などのプラットフォームの構造の問題で巻きの力が弱いんじゃないの?とも思ってたが
昨今のリールとで使い比べてみても
以外と巻きの力は弱くないことが改めてわかってきた
エリアスプーニングにおいて、TD系の優位性は確かにある
レンジが深い所をリトリーブしていると
現行リールと比較して明らかに巻きが重くなるし
表層に上がってくるにつれて、巻き抵抗は明確に軽減してくる
ようするに下層から表層までメリハリの強弱の差が現行リールより大きいのである
これは理論より経験でそう感じている

続く





TD系はなぜ巻き感度に優れるか?」その3


TD
系の巻き感度はどちらかというと高音質なキンキンというより
トルキーなハンドルの巻き主体で感じる感度である
巻き・・・・そんな時にふと気づいたことが
スピニングリール(ベイトリール にも)には2つのギア比が存在するということ
一般的にはドライブギアとピニオンギアとの組み合わせによる
ハンドルを1回転回した時にローターが何回転するかのギア比
当然ローギアはローターの回転数が少なく
ハイギアは回転が目で判別つくほど早い
アングラーが巻きで感じるトルク変動は一般的にはパワーギアと言われるローギアより
ハイギアのほうが感じやすいが
かと言って、エリアでスローリトリーブをするとなると
巻きだしが重く、かつスローリトリーブが苦手なハイギアだけに、
巻き主体のスプーニングだと使いづらい

ギア比と密接な関係のあるハンドルの長さも、同様に
極端に短いハンドルは巻きだしが重くスローリトリーブがやりづらい
事実トップトーナメンターが極端に短いハンドルを使っているのをみたことがない

さてもう一つのギア比とは、ハンドル1回転あたりのオシレート比である
これがベイトリールとなると、レベルワインド比となり
この動きの比率で密巻きとなったり、荒巻となったりする
一般的に密巻きのメリットはキャスト時の放出抵抗が少なく飛距離が出るから
キャスティング競技では超密巻きにラインを巻き直しているくらいであるが
実釣においては、魚がヒットした後にスプールに巻かれたラインの中に
ラインが食い込む現象が起こることがある
荒巻はTD系ダイワで言う所のクロスラップとも呼ばれ
ライン同士が食い込まないように、お互いのラインが斜めに重なるように巻かれていく
当然ライントラブルは軽減するが、厳密には飛距離は密巻きと比べると低下する傾向にある
ベイトリール においても細くて強いPEライン使用となると
レベルワインドは密巻きは致命的となってしまうから、メーカーもレベルワインドの動きは当然高速になる

前置き&脱線が長く恐縮だが、TD系がどうしてあんなに巻き感度に優れているのだろうかという考察のヒントに
このオシレート比が重要な鍵になるからである


続く





TD系はなぜ巻き感度に優れるか?」最終回

オシレート比が重要な鍵になるということで
スプール最下点から最上点までを1サイクルとした場合の主要な各リールを検証してみた所
TD 2004系はハンドル1回転あたり、スプールのオシレートがちょうど1サイクルなのである
現行の18イグジストは、ハンドル1回転のタイミングでは、スプールのオシレート(上下動)1サイクルに及ばなく、
ハンドルを1回転以上回さないと1サイクルにならない
ウォームギアを有しているシマノ系リールも、プラットフォームはTD系に酷似しているにも関わらずしかりである

ちなみにカーディナル3/33系もほぼハンドル1回転あたり1サイクルでオシレートをする
しかもカーディナルとTD系のスプール幅は対照的なくらいに違い
カーディナルは超ナロースプールの為、結果飛距離が出やすい密巻きになっている
カーディナルがTD系と比べて飛距離が出るのもそう言ったことが理由なのである
オシレートがハイサイクルになればなるほど、巻きの抵抗は厳密には増幅していくが
ドライブギアのギア比のようにハイギアだから、巻きだしが重いとかパワーが弱いと感じることも少ないが、
厳密にはトルク変動の差が大きい
表現が適切かはわからないが、ハイギアは巻きだしが重いから、最初からトルク変動を感じつ¥づらく
ノーマルギアだから、巻きは軽いからこそ、ハイオシレートのトルク変動を感じやすい
結論から言うと
TD系は現行リールと比べてハイサイクルなオシレートにより
トルク変動の変化が大きく出ることで微妙な巻きの変化を感じやすい」

                       IOS  岡村


巻き抵抗と一口で言っても、以外と知られてないが小さなスプーンというよりは
水中に横たわったラインの抵抗に起因することが大きい
なので、TD系を使ったレンジの変化はラインの抵抗感で掴みやすくもあるし
スプールのウォブリング抵抗もメリハリの差で感じやすいのも事実
なのでスプールの動きと後ろから魚がじゃれ付いてスプーンの動きを乱した引き抵抗の違和感をも感じやすい
これは一種のハイギアオシレート比特有のトルク変動が感じやすい為と思われる
前述の理由から、スピニングにおいてバス釣りのI字系やミドストでも大変使いやすいのも事実
未だに、シーバスにおいてもタフな状況やバチパターンでは
TD系を愛用しているアングラーも少なくない
さらには、ミノーの連続ジャーキングさえ
実にミノーの挙動と巻き重みのバイトがつかみやすいと感じている
ベイトリール についても前述のハイサイクルなレベルワインドを搭載したリールは
ラインの中にラインが食い込むトラブルを防止(特に極細PE)効果があるし
巻き感度に優れている傾向があり、ヤマセンコーのスローリトリーブなどで重宝している

話がそれてしまうが、ベイトリール機種によっては
ハイサイクルの抵抗が時に飛距離においてはネガになることがある
アンバサダーや五十鈴リールのように
キャスト時のスプール回転時にレベルワインドが連動するものは
あまりハイサイクルだとスプール回転抵抗が生じ飛距離が低下する
因みにアンバサダーは、レベルワインドが端から端まで移動するときのハンドル回転は45回転、
五十鈴リールは22.5回転と
PEラインのライン食い込みを考慮したハイサイクル化をされている
その為、アンバサダーの方がローサイクルとなり、PEラインは食い込みやすいものの
スプールを回転させる力の抵抗が少ないので、結果飛距離が出る
これらはアンバサダーと五十鈴リールとの、飛距離の違いの一因にもなっている
いずれにしろぜひメーカーも新しい付加価値として、
巻き感度について物理的な検証をしてほしいものである()

さていいことづくめのTD系にもウィークがあるとすれば
現行で程度の良いものが少なくなってきたことと
精度的な個体差が多く耐久性に劣ること、
さらにパワー不足とハイギア仕様のモデルがないことである
なので、巻き感度が優れているからと効率優先&大型が混じるエリアでの優位性は
後継機種のリアルフォーと比較しても弱い
貴重なTD系を温存するべく、低活性でアタリが弱い極寒期はTD系を
その他の時期は現行リールを使い分けをしているアングラーも多い
いずれにしろ、感度優先かスピード&パワー優先かの使い分けが重要になってくる

IOSでは、両方のメリットを生かしたいい所取りをするべく
現行リールでのハイオシレート化が出来ないか?という検討を
2010年頃から今日まで、試行錯誤をしながら実施している
ヒントはハイギアリールは当然ローターの回転に合わせてオシレートスピートが早くなるから
そのオシレートシステムをノーマルリールに移植するという方法
シマノでいうなら、10ステラHGのウォームギアをノーマルギアの10ステラに組み込んでみたこともあった
理論的にはハイオシレートの出来上がりである
実釣では、ステラのローター自重がネガにはなるが
変装する前と比較して、なんとなく感度が上がった感じはした
ダイワなら、ハイギアリールのオシレーティングギアをノーマルギアのリールに組み込む
しかし、それらの結果今までみたことがないトラブルが発生したのである
それはまたの機会に()





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 ストリームにおけるレバーブレーキ考




      

はじめに

スピニングリールを使用し、ダウンストリーム等でルアーを送り込む時はラインをフリーにして送り込むので
フリーに流れてしまう時や、ドリフト操作時にベールが開いてる状態でヒットしてしまうと
その後のやりとりに支障をきたしてしまうことは前回のブログで課題となっていた

今回は再び十勝の川を訪れて、レバーブレーキリールを使用
そのメリット、デメリットについて実釣動画を交えて検証してみたい




---−−− ストリームにおけるレバーブレーキ考 リール編 ---------



    


ダウンストリームでのレバーブレーキの釣りにおいて私が注目したのは、シマノの16エクセンスC3000MXGである
最大の特徴は、エクスブレーキと言われる今まで以上に繊細なブレーキコントロールが可能になり
シーバスはもちろん、トラウトに対して有効なブレーキと言われる
人によりブレーキ制御が頼りなく、もう少しロックが強めのほうが安心かなとも思うが
実際にロッドにラインを貼ってテストしてもみるとそれなりにストッピングパワーはある
このリール、フルチューンすることで巻きが軽くなり、従来の使用用途でより快適なブレーキ制御が可能になるのだが
個人的にストリームで使えないかと考えていた
きっかけは富山の廣野テスターのエクセンスLBである
地元宮川の押しの強い流れをダウンで攻略する場合、送り込む時の魚のバイトが、かなりの確率であるという
そう、まさしく私が十勝水系で恐怖のドン底に突き落とされたシーンである
再び十勝の川でリベンジを誓うべく、LBを使いたくなった
使い方は送り込み中にフルチューンにより、フリクションが軽くなったロータを逆転させながら
ローターの回りすぎによるバックラッシュはレバーブレーキで調整しつつも
ポイントでは、ミノーをステイする都合ブレーキを強めてミノーを定位させる
ヒットすればレバーを押して通常のスピニングリールとして
または、最下流に流し込んだあとも、レバーを倒して通常のスピニングリールとして
そんな使い方を本流のトラウトでしてみたい

チューンのキモは、より軽い巻きによるリトリーブ感度向上
自重の軽いCI4ローターならではの軽いレスポンスを向上させて、ゆるい流れでも安定してローターがクルクルとスムースに逆転する必要がある
もっとも重要で効果的なのはラインローラーインパクト へ交換することでラインが90度に曲がる一番抵抗のある箇所で極限までライン抵抗をなくし
ローターのスロー回転から高速域まで、安定したレスポンス向上の為にもラインローラーインパクトが必須アイテムとなる

気になるスペックの比較は、C3000クラスの実測で18ステラが実測213g
17ツインパワーXD249.5g
18エクセンスLB229g18ステラに近いと言えば近い

それでは実際のフルチューンの一部を少し


  

従来のディスクブレーキ方式からドラム式へと変わった
ドラムのセンターベアリングにはIOS-02を塗布することでさらなる軽いローター回転が可能になる
ブレーキシューには薄くIOSギアグリスを塗布することでさらなるスムースかつストッピングパワーの大きいドラグ特性へと変わる



  

ここまで分解は専用工具も必要となり専門的、エクセンスLBスムースな回転は、ピニオンベアリング保持のセンター出しがキモ
コアプロテクトはラインローラーのみ採用、18ステラほど防水性は無し



  

ボディはマグネシューム製
外見からは想像もつかないほど剛性は高い
IOSオイルとグリスできっちりと組み付ければ巻きの質感は相当高い







--------- ストリームにおけるレバーブレーキ考 実践編 -----



 それでは実際に動画を交えて、どのようなシーンで使えるかを解説してみる



1  ベーシック・ダウンストリーム編  (ダウンストリーム LBテクニック)

ヒットのタイミングは逆引き中での魚のバイトのケース
ほとんどのダウンストリームでもっとも多い使われ方だと思う
レバーブレーキのメリットは感じないイメージもあるが、フッキング時にレバーをしっかりと握ることで
フルロックなみのパワーが、確実なフッキングを可能にする

ヒットすればブレーキを効かせながら、テトラ帯、底石周りやブッシュ周辺を回避させるなどのメリットがある
またレバーを下へとダウンさせることで通常のスピニングリールのON機能と同等になり逆転ストッパーが効く
カバーが少なく開けたポイントであれば早めにダウンして通常の使い方へと切り替えるのがベター
ヒット中も常にレバーを指で引いているのは想像以上にしんどく、グリップに力が入りずらいデメリットもある
特にリバーシーバスでのランカー狙いにはレバーが欲しくなるロケーションが山ほどあるが
使うタイミングには慣れが必要


  https://www.youtube.com/watch?v=MGhlVSrkbeI&list=UUF39F34Vi_j-VZYaEN2wVLQ&index=5

  https://www.youtube.com/watch?v=F-z8vI6ifyE&list=UUF39F34Vi_j-VZYaEN2wVLQ&index=4




2  ダウンストリームで送り込み編

レバーブレーキならではの釣り方
ダウンストリームで、ルアーを送り込み中、ローターを逆転させることでゆるいテンションがルアーにかかり
アクションをさせながら、流し込めるメリットがある
ヒットすれば瞬時にフッキングも可能
これらの、メリットは計り知れない


  https://www.youtube.com/watch?v=QVgjfC7scPo&list=UUF39F34Vi_j-VZYaEN2wVLQ&index=2

  https://www.youtube.com/watch?v=TR6C1VqiYqc&index=1&list=UUF39F34Vi_j-VZYaEN2wVLQ




3   クロスキャストで入れてのドリフト時

とかく、ラインの出入りが多いクロスキャスト
アップクロスでキャストした直後は、早めにリトリーブ
完全クロスからダウンへと移行しながら、わずかに送り込み動作を入れる
流れが緩く、ローターの逆回転が足りない場合は、わずかにロットを煽ってローターをまわしてやることでラインが出る。
ラインスラックの処理が忙しいが、XGならではの巻き量はアクションやわずかなバイトに集中出来る


  https://www.youtube.com/watch?v=0mD-c7WMEVw&list=UUF39F34Vi_j-VZYaEN2wVLQ&index=3




考察

今回レバーブレーキのリールはシマノエクセンスLB C3000XGである
ローターには軽量なCi4素材、ダウンで送り込む時の軽快な軽い回転とレスポンスはIOSフルチューンダウンストリームLBの最大の強み
ライン抵抗がもっとも大きなラインローラーを低フリクションのラインローラーインパクト にすることで
よりスムースな逆回転が可能になった

本来もっとも危険で死角でさえあった、ダウンストリーム時
キャストアウトしたルアーを垂れ流しする過程においてLBを使うことで、ルアーがウォブリングを刻んで流れていくことで
魚へのアピールも大変良いのか、心なしか釣果の成績も上々になった
「ダウンストリーム LB」が効果的なロケーションは
リバーシーバス、サクラマスなどの中本流のトラウトなどである
まだまだ新しいカテゴリーとタックルシステムで試行錯誤段階は否めないが
新しいリールやカスタムパーツが出ればそれに伴い新しい釣り方を探求していくことがとても楽しくもある